人はなぜ酒でやらかすのか

「給料がない!」

20歳のころに酒で失敗したことがあります。
会社の飲み会があった翌日のことでした。

なんのことはない。
酒でよくある失敗(勝手に)ランキング第1位の
「記憶を無くした」ってやつです。

記憶を無くしただけなら、まだよかったのですが
会社から支給された給料が見当たらないのです。

当時は、給料がまだ振り込みではなく
現金手渡しでした。
(一応、平成も半ばの話なんですが)

立つほどの現金が入った封筒・・・ではなく
胸ポケットに入れたらそのまま入れたことを
忘れてしまうような存在感のない封筒でしたが
今後1か月を生きていくために必要なものです。

画像
バブルのイメージ

しかし、その日は私が酒を飲める年齢に
なってから初めての給料支給日で
そのまま飲み会が予定されていました。

あなたならきっと

「飲み会に行く前に、ATMで預け入れよう」

って思うでしょう。

誰だってそーする おれもそーする

画像
CDはちゃんとしまうタイプです

と言いたいところですが
その当時、実家住まいで世間知らずだった私は
給料は全額家に入れ、3万円を小遣いとして
もらうという生活をしていました。

そのため、いちいち給料をATMに入れる
なんてことはしたことがなく
どうせ親に手渡すからとそのまま
ジャケットの内ポケットに入れていました。

そんな状況での飲み会です。

さて、社会人になって多くの人が
受ける洗礼として飲み会があります。

よくある酒の失敗談としては
寝た、吐いた、泣いた、キレた、
見知らぬ他人に絡んだ、意識を失った、記憶をなくした
といったところでしょうか。

このような問題は、自分が飲める酒量の見極めが
できていないために起こります。

人によって摂取できるアルコールの限界量は
決まっています。
が、当然私もそんな見極めはできていませんでした。

また、どちらかというと昭和の悪しき風習を
色濃く残す組織風土だったので

グラスが空いたらすぐに注ぐ
空いてなくてもすぐに注ぐ
残っている酒は飲み干さなければいけない

といった、日本の中小企業の飲み会における
公式ルールについては、このとき教習を受けました。

私自身、すぐに調子に乗る性格ですし
アルコールで楽しくなってしまっているので
注がれた酒を次から次へと飲み干していたように
思います。

思います。というのは
気が付いたら家の玄関で寝ていたためです。

あれ、誰かキング・クリムゾン発動した?



って思えるくらい時間がすっ飛びました。

目を覚ますと心臓が脈打つたびに
同じタイミングでズッキンズッキン痛む頭痛と
不規則に襲ってくる吐き気にもだえ、、、

なるほど、これが二日酔いか。
と思ったのを覚えています。

二度とゴメンだと思ったはずなのに
二日酔いとはこの後も幾度となく
お付き合いしていくことになります。

別れては付き合うを繰り返すカップル
のようですね。

ひととおり意識を取り戻したとき
自分のおかれている状況を
確認してみたところ、、、

「給料がない!」


につながるわけです。

ジャケットの内ポケットにINしたはずなのに
調べてみるとポッケないない状態。

カバンや財布は無事でしたが
肝心の給料がない・・・
心底、ヘコみました。

ヘコむのは私だけじゃありません。
母子(+祖母)の家庭なので
基本的に生活のためには
私の給料が不可欠です。

そのため、酔っ払って給料をなくした
なんて言ったらどんなにガッカリすることか。

誠に申し上げにくいことではありますが
言わないわけにはいきません。

母親に正直に話すと

「えー、玄関の前とかに落ちてるんじゃないの?」

怒られるかと思いましたが
さすがに前述の酒での失敗談を
すべて経験しているだけあって
酒での失敗には寛容でした。

確かに外は確認していなかったので
急いで見に行ってみると、、、

ありませんでした。

家に戻り

「母ちゃん、無かったわ・・・」

と、高校受験の合格発表で
受験番号が無かったときのような
テンションで切り出したところ

「えー、自転車のカゴは?」

当時、私は自転車通勤でした。
酒を飲んで運転すれば自転車でも
飲酒運転になりますが
時効なので書いちゃいます。
あなたはお酒を飲んだら車、自転車は
運転しないでくださいね。

確かに自転車のカゴは見ていませんでした。
住んでいた借家には玄関の横に自転車小屋があり
そこに自転車を停めていました。

急いで見に行きます。

するとそこには、、、

「給料」の文字が燦然と輝く
茶封筒がありました!


中身もちゃんと入っていました。
なぜ、ジャケットの内ポケットから飛び出て
自転車のカゴに単独で茶封筒が置いてあるのかは
皆目見当がつきませんが、とにかくありました!

このときは心底ホッとしたのを覚えています。

そして、「給料」と書かれた封筒が
誰もいない自転車小屋に置いてある
自転車のカゴに入っていても
盗まれることがない日本の治安の良さに
感謝しました。

ってか、逆に怪しすぎて罠だと
思われたかもしれませんね。

見つかるまでは「めちゃイケ」の
持ってけ100万円!』が頭をずっと
よぎっていました。
私の場合は、一切リターンがなく
もし、拾われれば単なるプレゼントで
終わりますが。

このように記憶や意識がなくなるまで
酒を飲みすぎるのは百害あって一利なしです。

自分が楽しく飲める酒量を覚えて
意識がしっかりしている状態にとどめて
飲むようにしましょう。

以上、酒でやらかした人からのアドバイスでした。

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