「あなたの話は聞きやすいね」と言われたかったら読む話(後編)

この記事は以下の記事の続きとなっております。
まだ読まれていない場合は、先に読んでいただくとより理解が深まる・・・ような気がします。

軽く前回の内容をさらっておきますと、話をするときに無意識にでてくる「えー」とか「あのー」という無駄な音を「Filler(フィラー)」といい、これを言わなくすることで話が聞きやすくなりますよってことでした。

実際にしゃべりの達人である落語家の春風亭昇太師匠の独演会に行き、プロがいかにフィラーを出さずに話すのかを研究したりもしました。

結果は、、、まぁ前回の記事を御覧ごろうじろってとこです。

ちなみに、上で出てきた「さらっておきますと」の意味ってわかりましたでしょうか?

落語の世界では「ネタを練習する」とは言わずに、「ネタをさらう」と言います。

「なにやってんの?」

「週末に独演会があるから、ネタさらってんの」

「へぇ〜、熱心だねぇ」

って感じです。

「さらう」は「復習う」と書きますので、「ネタを復習している」ってことですね。

私の場合は「前回の内容を復習しておきますと」っていうところを、「前回の内容をさらっておきますと」で使ってみました。

なんかカッコいい言い方ですよね。

突然ショートショート 「さらう」


「お、ボク。何してんの?」

「あのね!学校の授業で聞いたとこさらってんの!」

「へぇ、復習してんだ」

「どけどけ!」

ドンッ!

「いてぇな!って、おい!その子をどこに連れて行こうってんだ!」

「うるせぇ!オレはこの子の親に恨みがあるんだ。だからこの子をさらってんだよ!」

「へぇ、復讐してんだ」

・・・さ、真面目にやりますか。

昨日はフィラーが出るメカニズムのお話をしました。

心、思考、声の3つの要素が安定している場合はフィラーは出にくく、不安定な状態では出やすくなるというものでした。

では、フィラーはどのような場面で良く出てくるでしょうか?

おそらくは、自分が話している時の|間《ま》を埋める時に出てくるのではないかと思います。

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私のように話し慣れていない人間には、立て板に水のようにしゃべることは難しいです。

そのため、一つの文章を話し終えた後に、次の言葉を思い出したり、考えたりする中でどうしても間が空いてしまいます。

その間を埋めるために、考えている時は「えー」、思い出している時は「あのー」のようにフィラーが出てきます。

では、どうしたらフィラーを出さないようにできるのでしょうか。

前回の記事では大局的な対応についてでしたが、今回は局所的にできる対応について考えてみたいと思います。

まず、先に方法を書きますと、

  • 間を怖がらない
  • 文章を短くする
  • 意識する
  • 完璧を目指さない

です。

間を怖がらない

間を埋めるためにフィラーが出るのであれば、間を気にしなければいいじゃない。
というマリーアントワネット理論です。

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誤解されているかわいそうな人

人前で話をしていると何もしゃべらない瞬間=間ができるのを怖がるってことありますよね。

間を怖がる人は友達と話しているときでも間をあけてはいけないと思ってしまうとか。

私には友達がいませんのでその感覚はわかりませんが、ライブ配信で一人しゃべりをしているときなんかは、やはり話の間があいてしまうのは気になってしまいます。

しかし、その結果「えー」とか「あのー」が出てしまうくらいなら、いっそのこと間をそのままにしてしまいましょう。ということです。

かえって落ち着いているという雰囲気を与えることができたり、人前で話している時にはあえて間を作ることで聞いている人の意識を引き寄せることもできたりします。

「間はあってもいいんだ!」と自分に言い聞かせて、話に臨むようにしましょう。

文章を短くする

話下手の人は話が明確に途切れない傾向があります。

そのため、話し始めると、

「フィラーというのは無駄な発音でして、えー一般的に言わない方がよいとされていますが、あのーやっぱり言わないようにするというのは、なかなか難しくてですね、えーその結果やはり話していると無意識にでてしまうという、、、」

のように話の終わりに「て」や「で」や「が」を多用し、なかなか話が終わりません。

文章であれば、わかりやすく句点を打つことで話が一区切りついたということがわかります。

同じことを話す際にも行い、1つの文章を短く区切ることでフィラーが出にくくなります。

上の例であれば、

「フィラーというのは無駄な発音です。そのため、一般的に言わない方がよいとされています。しかし、実際に言わないようにするというのは、なかなか難しいです。そのため、やはり話していると無意識にでてしまいまう厄介なものです。」

となります。

実際にはこのような文語体で話しをする人とはお近づきになりたくありませんが、フィラーを減らすという観点ではわかりやすいと思います。

後はこの考え方を基本にして、ちゃんと口語体にして短いセンテンスで話すことを意識すれば、相手にも伝わりやすいし、フィラーも出にくくなって一石二鳥ですね。

意識する

結局のところはコレに尽きるという回答になってしまいます。

無意識に出ているものは意識をする以外に治しようはありません。

フィラーが出ないように意識して話すことで、徐々にですが改善はされていくはずです。

そしてこのとき必ずやった方が良いことが自分が話している内容を見直すことです。

そのためには、録画や録音が必要になりますが、いまは便利な世の中です。

スマホがあればどちらも可能となるので、ぜひ自分が話している内容を聞き返してみてください。

たぶん、恥ずかしいやら気持ち悪いやら死にたくなってくることうけあいです。

それでも、自分のしゃべりの問題点を客観的に見るということを繰り返せば、改善はされていくはずなのでめげずに取り組みましょう。

完璧を目指さない

noteでも常々書いていますが、完璧主義はヨクナイ!です。

そりゃ完全にフィラーがでない話し方ができれば、スゴイって思われるんでしょうが、現実にはなかなか難しいです。

そもそも、絶対に出さない!と意識することで、かえって不自然な話し方になってしまいますフィラー。

おまけにそのことが緊張につながってしまい、3要素の”心”の部分が不安定になることで、かえってフィラーがでる要因にもなりかねないフィラー。

このようにフィラーを気にしすぎるあまり、気がついたら勝手に語尾がフィラーになっていたなんてのはよく聞く話です。

それよりも、前回よりも少しでも減らすというゆるい目標で取り組んだ方が、気持ちをラクな方にもっていけるのでリラックス効果もあってフィラーが出にくくなります。

スピーチのときなどにフィラーが少ければ、周りから「出来るヤツだ」とか「説得力がある」と思われます。

内容はそこまで大したことを言っていなくても、フィラーが少ないだけでしっかりした話に聞こえるはずです。

ただし、自分でライブ配信をするようになって思ったことは、フィラーをなくすためにはトレーニングが必要だということです。

そのため、簡単に治せるものではないということがよく分かりました。

ということで、もし、あなたが話しているときにフィラーが出ることを気にしているのであれば、前回と今回の内容をぜひ参考にしていただければと思います。

一緒に少しずつ改善していきましょう。

それでは、後半の動画を紹介して今回は終わりたいと思います。

前編、後編と長い記事になってしまいましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。

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