恥の多い生涯を送って来ました。
恐れ多い書き出しですが、まぁほとんどの人に当てはまることですよね。
人生において一度も恥をかかずに過ごしてこられた方はいないのではないでしょうか。
もし、自分がそうだという人は記憶の改竄や封じ込めの疑いがありますので、「天国への扉」か「ジェイル・ハウス・ロック」の攻撃を受けている可能性があります。
スタンドからの攻撃ではない場合は、あなたは恥ずかしさを捨てることができていて、本当に恥だとは思っていないのかもしれません。
そしてそれが、わたしが目指したいところなのです。
そう、わたしは、
恥ずかしさを捨てたい
のです。
といっても、公衆の面前で裸になってストリーキングをしたいとかそういう話ではありません。
常識は持ったまま自分の行動を阻害する原因を取り除きたいという話です。
では、どうやったら恥を捨てることができるのでしょうか?
そのためには、過去の失敗談を話すのが効果的だそうです。
なるほど、失敗談ならお手の物です。
錆びついた脳回路にヤキを入れた結果、現時点で一番古く思い出せる失敗談は、、、
・・・あれは小学校3年生の音楽の授業でのことでした。
授業でリコーダーが取り入れられるようになり、その成果としてかんたんな課題曲を一人ずつ演奏させられることになったのです。
みんなが座っている中で一人だけ立って演奏をするというのは、ものすごい恥ずかしい行為です。
おまけに、みんなの視線も集まるため緊張もすごいことになります。
わたしの順番はちょうど真ん中あたりだったでしょうか。
先に演奏する人たちの発表が終わっていき自分の番が近づくにつれ、心臓がめちゃめちゃ早く脈打ち、大きな音になっていくのがわかります。
人が緊張するとどこに一番影響がでるのかご存知でしょうか?
それは、指です。
緊張状態は手先の震えとして大きく表れます。
そして、呼吸も浅くなります。
意識しなければ深く息をすることも吐くことも難しくなります。
どちらもリコーダー演奏にとっては致命的です。
わたしの名前が呼ばれ、裏返った声で返事をして立ち上がります。
そして、リコーダーに口をつけて、決まった穴の位置に指を置きます。
この時点で緊張から息が漏れているため、ピュロ・・・ピョロ・・・と小さな不穏な音が聞こえます。
意を決して、目の前のリコーダーに息を吹き込みます。
ピュロ・・・ピュヒュ〜・・・ヒュヒュピュル〜
この世のものとは思えない演奏が始まりました。
緊張でうまく息遣いができないため、そもそも正しい音が出せないんです。
こうなっては指先の震えを気にする必要がなくなりましたので、その点は良かったです。
サンドイッチマンの漫才を見ながら演奏すると笑いながら吹くことになるため、ちょうどこんな演奏になるんじゃないですかね。
そして、わたしの方はというと緊張による震えが全身にまで広がってきました。
みんなからの戸惑いの視線を感じ、顔を上げることもままなりません。
でも、顔を伏せて全身を震わせながら、サンドイッチマンの漫才を見ながら演奏したときのような音を出していると、周りはわたしが笑いをこらえながら吹いているからこんな演奏になっていると思ったみたいなんですね。
そして、笑い袋というおもちゃがあるように、笑いは伝染するという性質があります。
つまり、周りのみんなも戸惑いから「あぁこいつ笑わせようと思ってやってるんだ」という勘違いに変わり、素直に笑う人がでてきました。
もちろん、わたしはそんなつもりは毛頭ありませんので、自分が笑われてるのが辛くなり、さらにまともに吹けなくなるという地獄のスパイラルに陥ります。
そして、先生は先生でその状況を見て、鬼のような形相で、
「ふざけないで!」
って怒ってきます。
「いや、ふざけてないし、もう泣きそうだし・・・」って言いたいけど言えない。
そこからさらに萎縮してしまって、とてもとても演奏ができる状態に戻ることはできませんでした。
その後のことはもう記憶にないですが、1つ思うのは、、、
その後に吹く人たちはやりづらかっただろうなぁ。
・・・うん、まぁ吐き出したらすこし荷物が軽くなった気がします。
このように、過去の失敗談を話すことで恥ずかしさを捨てられるようになるそうです。
そういう意味では、わたしのnoteは大体が自分の失敗談を披露する内容になっているのですが、まだ完全には恥ずかしさを捨てきれてはいないですね。
いやいや、、、
もう、そんなに引き出しに残ってないよ?
すべてをnoteでさらけ出す前に恥ずかしさを捨てられるようになるのでしょうか。
いや、恥ずかしさを捨てたからすべてをさらけ出すようになるのか?
どっちだろ?
コメント