「雪流れが見たい!」
妻と今度の休日の過ごし方を話していると、唐突に言われました。
「命の危険があるのはちょっとなぁ・・・」
「雪崩じゃないよ」
雪が流れると聞けば雪崩を想像するのが普通だと思いますが、こちらは雪が崩れると書くためどうやらそれとは異なる様子。
「雪流れってなんぞ?」と尋ねたところ、
「冬の間約4m近くの雪が積もる新潟県と福島県の境にあるダムで春の雪解けが始まると、周辺の山々からの大量の雪解け水が一気に流入し、急激に水位が上がるんだけど、雪が解けるよりも早く水位が上がるので、雪の塊は水面に浮かび上がりまるで流氷のように見ることができるんだって。1年の間でも雪解けの時期にしか見ることのできない風景なんだよ。」
と、どこかの観光サイトの紹介文のように流暢に説明してくれました。
「ふーん、場所はどこなの?」
「破間川ダムってところだって。」
「は・・・んま・・・かんま・・・ダム?」
「”あぶるまがわ”だよ」
「読めるかい!」
ということで、新潟県魚沼市大白川地区にある「破間川ダム」に行くことに決まりました。
この日は久々の快晴で陽気も春らしく暖かでした。
朝から準備に体を動かしていると汗ばむくらいで、タンスの奥にあった半袖に久々に袖を通して、いざ出発です。
道中、遠くに見える山が雲に覆われているのが見て取れます。
スマホで調べてみると、山が雲に覆われるのは、麓の水分を含んだ温かい空気が山肌を登っていく内に冷たい山の空気で冷やされることで雲になるためだそうです。
破間川ダムは県境の山奥にあるので”冷たい山の空気”というところに半袖の私は一抹の不安を感じましたが、まぁ大丈夫でしょう。
山を登れば登るほど太陽に近づいていくわけで、寒くなる道理がありません。
幾度となく細く長い道やでこぼこ道や曲がりくねった道を走り、そしてトンネルを抜けるとそこは、赤と青の見事なコントラストの橋でした。
雲ひとつ無い青い碧い空と、それに対して自らを主張するかのように赤く朱く塗られた鉄製の橋。
そして山肌に残った残雪の白、冬の山を象徴する枯れ木や地面の茶色。
さらには春になり木々に戻ってきた緑色と、ここには色々な色が
寒っ!
御託を並べていられないほど寒いです。半袖のままでは死にます。
ああ空はこんなに青いのに、太陽はとてもあかるいのに、どうしてこんなに寒いの?
自然に子供の頃に観ていたアニメの主題歌の替え歌が頭をよぎります。
寒い寒いを連呼していた私を見かねて、妻が車から上着を出してきてくれました。
半袖で行こうとしている時点で、たぶん寒いって言うと思って上着を何枚か持ってきてくれたそうです。
本当にありがとうございます。マジ、リスペクトっす。一生ついていきます。
おかげさまで半袖の上に3枚ほど着込むと、寒さが気にならなくなりました。
そして、足元に目を向けると、、、
まるで流氷のような雪の塊が流れることなく、その場に留まっています。
1つ1つの雪の塊は路線バス1台分ほどもあり、その大きさはなんと、
東京ドーム0.0006個分
にもなります。
まぁ、もう少しで私も同じように凍るところでしたが。
4月上旬~中旬の短い期間でしかお目にかかれない雪流れ。
申し分のない天気の良い中できれいな光景を、大切な人(命の恩人)と一緒に見られて良かったです。
現地に行くのは難しいという方は以下のサイトで日々の様子を写真で見られますので、ぜひどうぞ!
魚沼春の雪景色「雪流れ」
山奥に流氷現る?! 一生に一度は見たい絶景!
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